NPPV(非侵襲的陽圧換気)とは?適応疾患・メリット・注意点までわかりやすく解説
「気管挿管を避けたい」「呼吸を楽にしてあげたい」
そんな場面で活躍するのが、マスクを用いた換気サポート NPPV(Non-invasive Positive Pressure Ventilation:非侵襲的陽圧換気)です。
この記事では、NPPVの適応、選択ポイント、メリット・デメリットを臨床経験をもとにわかりやすく解説します。これから学ぶ方にも、実践している方の振り返りにも役立つ内容です。

呼吸不全から心不全、神経筋疾患など幅広くカバーできるので、しっかり抑えておきましょう!
目次
- NPPVとは?
- NPPVの代表機種と換気モード
- 適応となる疾患・症例
- NPPVのメリット
- NPPVのデメリット・注意点
- まとめ:早期導入とチームでの介入が成功の鍵
1. NPPVとは?
NPPVは、気管挿管を行わずにマスクを介して陽圧換気を行う呼吸補助法です。
主に以下の目的で使用されます。
- 呼吸仕事量(WOB:Work of Breathing)の軽減
- 換気改善によるPaCO₂低下
- 肺胞の虚脱防止、吸入酸素濃度増加による酸素化改善
急性増悪時では早期導入が重要で、治療成績を向上させることが知られています。
また、SAS(無呼吸症候群)や神経筋疾患やⅡ型呼吸不全など、慢性疾患への日常的な使用まで幅広く使われます。
2. NPPVの代表機種と換気モード
臨床でよく使用される設定は以下です。
- CPAP:持続的に陽圧をかける
→ 肺の膨張を維持し、酸素化改善 - BiPAP(S/Tモード):吸気(IPAP)と呼気(EPAP)を設定
→ 換気改善に有効、CO₂排出を促す
目的に応じて、酸素化>CPAP、換気>BiPAPと覚えると整理が簡単です。
3. 適応となる疾患・症例
特にエビデンスが強いのは以下です。
- 慢性閉塞性肺疾患増悪
- 適応:PaCO₂ ≧45mmHgのⅡ型呼吸不全の増悪でpHが低下(アシデミア)となっている。
- 換気補助でPaCO₂を低下させ、pHを正常値に戻すのが目的→S/Tモードでの換気補助
- 心原性肺水腫
- 適応:うっ血性心不全による心原性肺水腫が多い。エビデンス高い。
- CPAPによる前負荷・後負荷軽減。吸入酸素濃度(FIO2)増加の酸素化維持
- 神経筋疾患による換気障害
- 適応:ALS、筋ジストロフィーなどで上手く呼吸筋が使えない。
- 換気補助をすることで、呼吸仕事量を軽減させ、PaCO₂の排出を手助けする。
その他には、術後の呼吸不全、胸郭変形、睡眠時無呼吸症候群などでも使用され、最近では抜管後の呼吸補助としての使用が重要視されています。
一方で、意識障害が進行、分泌物多量、顔面外傷などは禁忌または慎重適応です。

一般的に意識障害は適応外と書いている事が多いですが、Ⅱ型呼吸不全の急性増悪の場合はS/Tモードで換気補助することでPaCO₂が低下し、意識レベルが改善することも多いので実際はNPPVを使用することはあります!
4. NPPVのメリット
- 挿管回避が可能
→ 人工呼吸関連肺炎(VAP)リスク低減 - 鎮静薬不要でコミュニケーション可能
- 早期離脱が期待できる
- ICU滞在期間の短縮

挿管には鎮静薬、鎮痛薬が必須ですし、その影響で挿管が原因で起こる人工呼吸器関連肺炎(VAP)を防げるのは大きいメリットだね!
5. NPPVのデメリット・注意点
- マスク不耐
不快感・圧迫感・リークによる効果低下 - 胃拡張・誤嚥リスク
胃管挿入の検討、過度なIPAP設定に注意 - 皮膚トラブル
鼻梁の壊死、マスクの過度な圧迫を避け、マスク接触部に保護シールなどを使用する - 換気失敗時の見極めが重要
改善なければ挿管へ迅速に移行

治療開始後1-2時間で、血液ガス分析やSpO2、呼吸回数などの改善が見られるかがとても重要!!
改善がなければ粘らずに挿管へいち早く移行するのがとても重要!!
6. まとめ:早期導入とチーム介入が成功の鍵
NPPVは「非侵襲」という大きな利点を持ち、急性期から在宅まで幅広く活躍します。
ただし、適応と限界を正しく見極め、呼吸状態の変化をチームで評価し続けることが重要です。
- 挿管回避の第一手段
- COPDや心原性肺水腫で特に有効
- マスク管理・観察が成否を分ける

“早く始めて、悪くなる前に挿管へ”
”導入・中断の決断が重要!”これを覚えていってねー!

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