~単位の話~PaO₂・FIO₂・SpO₂を正しく理解する
目次
- 呼吸関連の主要な単位一覧
- 単位の法則
- よく使う項目のおさらい
- まとめ

みなさん、吸入酸素濃度を表す単位「FiO2」か「FIO2」どちらが正しいか説明できますか?
今日は曖昧にしていた単位の法則について解説していくよ!
🔍 呼吸関連の主要な単位一覧
| 略語 | 正式名称 | 単位 | 意味 |
|---|---|---|---|
| PaO₂ | 動脈血酸素分圧 | mmHg | 血液中に溶け込んだO2の量 |
| PaCO₂ | 動脈血二酸化炭素分圧 | mmHg | 血液中に溶け込んだCO₂の量 |
| FIO₂ | 吸入酸素濃度 | 小数 | 吸っている酸素の割合(0.21〜1.0) |
| SpO₂ | 経皮的動脈血酸素飽和度 | % | パルスオキシメータの酸素飽和度 |
| SaO₂ | 動脈血酸素飽和度 | % | ABGで測定する酸素飽和度 |
| PaO₂/FIO₂比(P/F比) | 肺の酸素化能の指標 | 比 | ARDS重症度評価 |
| A–aDO₂ | 肺胞–動脈酸素分圧較差 | mmHg | 酸素化障害の有無を見る指標 |
| ETCO₂ | 呼気終末二酸化炭素濃度 | mmHg | 換気状態の指標(カプノ) |
単位の法則
上記に挙げた単位たち。小文字だったり大文字だったり、実はちゃんと法則があります。
大前提をお話すると…気相は大文字!液相は小文字!です!!!
気相?液相?なんだそりゃ?と思った方に解説します。
気相:いわゆる気体の単位を表します。
→「I」自体は「吸気」という意味を持っています。吸気(吸っている)酸素濃度を表す「FIO2」、これの「I」は吸う空気の言葉なので気相→大文字です。
また、呼吸器の呼気の1回換気量を表すVTEの「E」も気相なので大文字です。
「F:濃度」の隣に小さく書くもんだから、小文字の「i」を使いがちで、間違えている人がかなり多いです。実際参考書や医療教育系のInstagramで発信している方もよく間違えています。
液相:いわゆる液体中(血液中)の単位を表します。
→例を挙げるとPaO2の「a」、「a」自体は「動脈血」という意味を持ちます。「動脈血」は液体なので液相→小文字です。
またSpO2の「p」は「末梢:peripheral」で、SpO2は末梢の血液中の酸素飽和度を表すので「p」は小文字になります。

気相は大文字、液相は小文字、これを知っているだけで間違えなくなるね!
よく使う項目のおさらい
ここでよく使う項目をおさらいしておきましょう。
PaO₂(動脈血酸素分圧)
PaO₂は、血液中に物理的に溶けている酸素量を表します。
- 単位:mmHg
- 正常値:80〜100 mmHg
- PaO₂が低い=低酸素血症
PaCO₂(動脈血二酸化炭素分圧)
- 単位:mmHg
- 正常:35〜45 mmHg
- 上昇=低換気
- 低下=過換気
FIO₂(吸入酸素濃度)
FIO₂は「吸っている酸素の割合」。
大気中の酸素濃度は21%なので、
- 室内気:FIO₂ 0.21
- O₂マスク 5L:FIO₂ 約0.4-0.5
- HFNC 60L/FIO₂ 0.6:FIO₂は設定通り
- 人工呼吸器:0.21〜1.0で設定

注意!!FIO₂に単位はないよ!0.21-1.0だよ!
「%」はあくまで酸素濃度の単位だね!
SpO₂ ≠ SaO₂(酸素飽和度)
■ SpO₂(経皮的)
- パルスオキシメータ
- 単位:%
- 皮膚の光吸収で推定値=誤差あり
■ SaO₂(動脈血)
- ABGの正確な飽和度
- CO中毒などは「SpO₂正常でもSaO₂低い」という現象が起こる
P/F比(PaO₂/FiO₂比)
肺の酸素化能力をみる重要指標。
ARDS重症度評価で必須です。
計算
P/F=PaO2÷FIO2 例)FIO2:0.6でPaO2:150mmHg P/F 150÷0.6=250 となります。
ARDSの重症度 目安
| P/F比 | 意味 |
|---|---|
| ≧300 | 正常〜軽度障害 |
| 200〜300 | 軽度ARDS |
| 100〜200 | 中等度ARDS |
| <100 | 重症ARDS |
A–aDO₂(肺胞–動脈酸素分圧較差)
酸素が肺胞(A)から血液(a)に移動できているかの指標。
計算式(簡略)
A–aDO2=PAO2−PaO2
- 正常:10〜20 mmHg
- 高齢ほど上昇
A–aが高い=ガス交換障害
→ V/Qミスマッチ、シャント、拡散障害
ETCO₂(呼気終末CO₂)
- カプノグラムで測定
- 正常:35〜45 mmHg
- 気道閉塞、低換気で上昇
まとめ
今回は呼吸管理で出てくる単位をまとめました!
日常のカルテに書く場合から学会等で発表する場合まで、単位間違いないようにおさえておきたいところです!
間違えてなければ、「おっ、この人は分かってる人だな!」と思われますし、信憑性も増すものです。

理屈を抑えてしっかり理解しよう!
そうすることで忘れない知識として定着するよ!


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